グリーグの代表作には、「ペール・ギュント」「ピアノ協奏曲イ短調」などがあげられます。今回のリサイタルでは、10集ある「抒情小曲集」から12曲選びました。グリーグが日々の思い綴った日記のような作品を奏で、新潟の風景写真をスクリーンに写しながら"心地よい空間"を目指しました。
○ プログラム
(1) Op.54-4 夜相曲
北欧の夏・白夜を感じる作品で、透明に穏やかに、さらにゆっくり変化する大気を連想し、森で鳴く鳥と話す楽しさが心地よい眠りに誘われます。
(2) Op.57-1 過ぎ去った日々
悲壮感がただよう日々と、平常心と軽やかな日々を交互に転調しながら、青春を回想する物語りを美しく奏でています。
(3) Op.43-6 春に寄す
春近しつぼみが育つ苦しみと期待感を共有し、押さえきれない感情を表現しています。北欧を代表するピアノ名曲にひとつになっています。
(4) Op.43-1 ちょうちょう
ひらひら軽やかに舞う小さな命の歌が、気持ちよい風のまにまに聞こえます。細かい音型は、すばやいテンポで弾く楽しさをあじわえます。
(5) Op.71-1 昔々
民謡と舞曲を交互に取り入れて、まっすぐに生きる楽しさや悲しさを表現しています。素朴に暖かく、さらにコントラストを織りまぜた随想だと考えます。
(6) Op.47-4 ハリング (ノルウェー舞曲)
力強い農民が作業を繰り返す日々を舞曲として表現しています。後拍にアクセントを変えるリズムや装飾音などを用いる工夫を施されています。
(7) Op.57-4 秘密
秘密の楽園や蜜月の日々を書き記す日記を想像すると、冒頭の旋律や低音部の動きが秘めた思いを告白する作品だと納得できます。
(8) Op.43-4 小鳥
澄んださえずりから透明なガラスのような北風の大気を表現し、二短調ではありますが、大きな自然を包み込むやさしさを感じさせます。
(9) Op.54-3 小人の行進
巨大妖怪トロルが現れ人々が右往左往逃げ回っている情景を表現しています。恐いようでユーモラスを感じさせる面白い作品です。
(10) Op.43-3 故郷にて
生まれ育った故郷を思い出し、沁み入る懐かしさを心のなかで思い出す・・・息の長い旋律から懐古的な随想を感じ取れます。
(11) Op.38-6 悲歌 (エレジー)
楽しいこともあったが、突然悲しいできことが舞い込み、紆余曲折を繰り返す日々・・・3拍子のノクターンから滲む悲哀が読み取れます。
(12) Op.12-1 アリエッタ
ひとつひとつのフレーズに憧れと愛情をこめて綴る日記を感じつつ、しっとりとしたオクターブの中に素敵な物語が納まっています。
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○ 開催報告項目
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・ステージ/ピアノ&フォト プログラム
・写真展/新潟の風景写真40枚
・資料/パンフレット
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